馬と相撲とタイムカプセル

昭和二十年(1945)の終戦から数年の後、社長以下四十名ほどの社員が一丸となって本格的な再建に着手します。
神田の本社や第一・第二工場を順次増改築。昭和三十二年(1957)十二月に完成した鉄筋コンクリート三階建て延二百坪の建物からは、当時の神田駅のプラットホームが見下ろせたといいます。
そのような中で、NHKと民間テレビ放送が開始された翌年の昭和二十九年(1954)、日本放送協会から日本中央競馬会へ贈る「NHK金杯(優勝杯)」の製作を受注します。それに続いて、大相撲で優勝した力士に贈る「金杯」、さらには日本中央競馬会からの依頼で、「天皇賞優勝楯」、日本ダービーの「十八金製優勝杯」などを製作。これらの実績は、徳力本店に寄せられた信用と技術の高さの証といえましょう。また昭和四十五年(1970)大阪で開催された日本万国博の記念として大阪城に埋められたタイムカプセルにも徳力本店の高純度貴金属が封入されています。五千年の後に掘り出された時には、その不変の輝きが後世の人々の目を楽しませるに違いありません。